3LDKのマンションの和室を撤去して
リビングと合わせて
水屋と小間の茶室をつくりました
茶道口は塗りまわしの花頭口です
改造前のマンション和室。
リビングも取り込んで
水屋と小間の茶室
茶道具収納も計画しました
マンションの躯体は共有財産
躯体を傷めないように
茶室の土台を
既設の床の上に据える
炉壇を設けるために
床は1尺5寸高くします
元の壁は
コンクリートの上にビニールクロス
壁下地の間柱も
壁の躯体を傷めないように
接着剤で留めその上に胴縁
軸組みが建ち
にじり口が姿を現す
柱は杉の面皮
北山杉磨丸太の面を落として
スラブいっぱいに下地を組む
炉壇を仕込むために
床を嵩上げしているので
天井高は6尺5寸(1950o)
妙喜庵 待庵の天井高
6尺2分(1824o)より少し高め
水屋の竹簀の子の流司
床を嵩上げしたので
排水の勾配を確保できました
にじり口の敷き鴨居
はさみ敷居ではありませんが
寸法は古来の寸法を
写しています。
網代の天井と
釜蛭釘を取り付けるための真木
桜丸太
連子窓の上に、
夏の茶会のための壁埋込空調機
水屋の棚の設えは裏千家
吊り棚のついた
4段棚の水屋です
腰板は一尺5寸の赤杉の
一枚板
流しには竹の簀の子
にじり口の建具を建込む
にじり口の脇には
本来刀掛けがくる処
上がり口には
沓脱石代りの
杉の収納式上り段を用意
ほぼ茶室が仕上がる
連子窓も細い組子で
軽やかに浮遊
4枚建ての障子の外は
リビングです。
にじり口の鍛鉄の内掛け錠
お詰めが『カチッ』っと
音をさせて掛けるのですが
なかなか上手に音が響かず
調整に苦戦・・・
壁は藁入りの珪藻聚楽土
本聚楽土水捏ね仕上げには
おとりますが
土壁らしい質感になりました。
茶道口は花頭口の
塗りまわし
開口部の裾小口は
竹で土壁角を見切っています。
水屋の竹簀の子流司の
前板に
炭入れを仕込む
炉は炭の本炉にも電気炉にも
対応する炉壇を組み込む
照明は
建築家の故吉村順三氏が
デザインした
和紙張りの行灯風照明器具です
落掛は百日紅の変木
簡素な敷込床
畳は本間京畳の
6尺3寸×3尺1寸5分
部屋の大きさは
畳割りで決めています
床の間には
花釘、無双釘、柳釘、
竹の軸釘、花蛭釘をつけました。
松風を愉しむのも
まもなくです