夕暮れのとばりの中に
暖かな光が浮かび上がりました
竣工写真を友人の写真家
カントリースタジオに撮ってもらいました
やっぱりPROの写真はちがう!!
材木検査に
岐阜の材木店まで行きました。
木目の美しい目細の化粧米松が
揃えられていました。
木目の美しい米松は
最近ではなかなか揃えるのが
難しくなってきた木材です
力のかかる主たる梁材は米松で、
柱は国産の桧材を
造作材には国産の杉材を多く使います。
60坪を超える床面積なので
骨組みを組み上げるのに
二日がかりです。
大工さんや鳶職のみんなの力で
陽が落ちる頃に棟が上がりました。
骨組みの段階で美しい構成は
出来上がっても美しい空間を
創り上げてくれます
木造真壁造の建物は
構造材がそのまま意匠材になります
棟上の段階ですでに仕上げの程度が
決まってしまいます
大工さんは細かく気を配って
組み上げていきます
結構雨の多い日本の気候では
長い庇の屋根は必需品です。
屋根は耐久性のある日本瓦葺き。
軒先は緑青色の
ガルバリウム鋼板で 軽くしています。
屋根の下地は
断熱材と合板の複合板です。
外壁から屋根裏の
通気工法の採用と合わせて
快適性が上がります。
屋根の棟からは屋根裏にたまった
熱気が抜けていくように
換気棟を取り付けます
外壁は細かな石目模様の
和風外壁材です。
外壁断熱はセルロースファイバーの
デコスドライ工法の断熱材を
充填しています。
デコスドライは電気のコンセントや
スイッチのボックス、換気扇ボックスなどを
取り付けた後に、間柱の間に
隙間なく充填されます。
そのため外部からの熱が伝わる道が
ほとんど閉ざされてしまうので
断熱効果は格段に上がるのです
真夏の工事でしたが、
先にデコスドライを施工された
2階で工事をしていた大工さんが
まだ施工していなかった1階に比べて
ずいぶん涼しいことに、驚いていました
その威力が遺憾なく発揮されました。
吹抜廻りの壁下地が
組みあがってきました。
吹抜周りは真壁造で仕上げるので
空間を走る梁は超かんな仕上げで
美しく仕上げられました
吹抜は空間に拡がりを与えてくれます
ただ吹抜の空間には
空気暖房は効きません
床暖房が必須です
玄関は米松の鏡板片引戸としました。
家に出入りするときに常に触れる玄関の扉は、
家の顔です。
触れて冷たい金属の扉は気持ちよくありません。
無垢の米松材を組上げて
車椅子でも出入りしやすい 片引の大扉です
玄関三和土はテラコッタタイルの四半敷き。
縦横の直線で構成される建築の中に
45°の拡がりが出現します。
出入りしやすいように玄関框の高さを低くしました
靴を履くには少々低くなりますので
窓際に靴を履くための ベンチを設えています
廊下の床には厚み35oの
相生杉を張りました。
廊下には床暖房はありませんが
空気層をたくさん持っている
杉材は
冬でも冷たさを感じません
仕上げに自然塗料の
桐油を塗っています
リビングスペースの上は吹抜です。
二階からの陽光が降り注ぎます
1階のリビングルームは
温水床暖房をモルタルに埋め込み
その上にウールの絨毯を敷き詰めました
絨毯は通気性がよく
床暖房には最適な仕上げです
また空気中に舞う綿埃を
しっかり吸着しますので
室内の空気がとってもきれいになるのです
キッチンはドイツのツァイコ社の
システムキッチンです。
マイスターの堅牢な造りを
感じます。
最近は日本製のシステムキッチンにも
ドイツ製の金物が使われるように
なりました。
ツァイコの引出しは
80sの物が載っても大丈夫な
耐久性のあるものが使われています
駐車スペースに面してできるだけ幅の広い
窓をつけました。
ご家族やお客様の気配がわかります
洗面の壁は杉板張りです。
杉板は断熱性が高いので
湿気の多い洗面でも
結露しないのです。
クロスのように剥がれたりしないので
湯気の出るとことには最適です。
窓に面して可動式の鏡を
嵌め込みました
鏡の両側から光が入って
顔に影ができません
トイレの壁も杉板に。
冬でも空気がなごみます。
しばらくは気持ちのよい
杉の薫を愉しめます
仕上げはドイツの防水自然塗料
リボスを塗りました
二階の階段ホールには
洗面を組み込みました。
広い空間で顔を洗えば気持ちいい・・!
階段室は空気が上下に
循環します。
カウンターの下のタオル掛けは
条件のいい物干し場所に
なります
植栽越しにテラスの窓の
暖かな光がこぼれてきます。
すまいは
心が一番安らぐ居場所です
寝室からテラス越しに
居間の気配を感じる配置としました
すまいに柔らかな和んだ空気が
満ちてきます
正面玄関の張り出した庇が
ポーチのライトで
浮かび上がりました。
門の両側の塀の角には
コーナーライトを組み込んで
夜に来られるお客様を迎えます